1.DoIPは何ができるのか？

イーサネットは、BMWによって初めて自動車に導入され、そのアプリケーションシナリオは、LCD計器クラスターのようなコンポーネントのソフトウェアデータ更新に対応するためのフラッシュ/プログラミングであった。従来の自動車診断と比較して、DoIPはイーサネット通信によるUDSプロトコルのデータ伝送、すなわちDiagnostic communication over Internet Protocolを指します。DoIPは大容量のデータを高速応答で伝送でき、イーサネットを通じてリモート診断ができるため、DoIPは自動車診断の必然的なトレンドとなっています。従来の自動車システムに比べ、現在の自動車システムフレームワークはすべてTCP/IPの上にDoIPプロトコルレイヤーを組み込んでいます。OBD診断、リモート診断、FOTAおよびその他の技術をよりよくサポートするために、自動車アーキテクチャ全体が調整され、外部ネットワークと内部ネットワークを分離しながら、スイッチを使用してMPU、MCU、およびその他のイーサネットECUをイーサネットで接続しています。

2.DoIPプロトコルの構成

このプロトコルはTCP/IPの上で動作する。DoIPプロトコルメッセージを受信するために、プロトコル仕様はDoIPプロトコルスタックに割り当てられた専用ポート番号13400をリッスンすることを要求している。UDPもTCPもこの受信ポートをリッスンしなければならないが、送信ポートは[49152~65535]の範囲内のランダムな値である。プロトコル・フォーマット:DoIPメッセージはヘッダー(8バイト)+ペイロード(Nバイト)で構成される。プロトコルヘッダー[8バイト]は4つのフィールドで構成される：

• プロトコル・バージョン [1バイト］
• 逆プロトコルのバージョン [1バイト］
• ペイロード・タイプ [2バイト］
• ペイロード長[4バイト］

ペイロード [Nバイト] - ペイロードデータは、実際のペイロードタイプによって異なる。通常、プロトコルバージョンは0x02であり、0x02以上の値は現在予約状態である。逆プロトコルバージョンは、プロトコルバージョンを反転した値である。この値は、プロトコルのバージョンが不一致のクライアントとサーバーが、 プロトコルヘッダーバージョンの不一致のためにリクエストが拒否されるケースを 迂回できるようにするためのものである。

ペイロード・タイプ

ペイロード・タイプは、DoIPプロトコル・スタックがサポートできる機能を表す。

つまり、DoIPメッセージは最大4GB(0xFFFFFFFF)を送信できる。

車両発見の2つの方法：

(1) DoIPデバイスは起動後、まずUDP経由でDoIPメッセージ（車両アナウンスメッセージ、ペイロードタイプ0x0004）を宛先ポート13400で診断ツールを含むネットワーク上の他の全ノードにブロードキャストする。このメッセージは、DoIPデバイスのDoIPバージョン、VIN、論理アドレスなどの情報を伝えます。このメッセージは3回送信され、あらかじめポート13400でリッスンしていた診断ツールはこの情報を受信し、DoIPデバイスの基本情報を知ることができる。(2) もし診断ツールが受信しなかった場合、別の方法がある：診断ツールは積極的に、宛先ポート13400のUDP経由でDoIPリクエストメッセージ（ペイロードタイプ0x0001）をブロードキャストしてリクエストする。起動時からポート13400でリッスンしているDoIPデバイスはこのメッセージを受信し、診断ツールに自身の情報を含むレスポンスを返信します。